粉ミルクの細菌に注意
「粉ミルクを作る際の温度」でも触れましたが、少し前までは「乾燥した粉末の粉ミルクの中で細菌は生きられないだろうから、不良品でもない限り細菌感染の心配はない」・・・という説が一般的でした。
したがって、粉ミルクの栄養素を壊しにくい40~60℃のお湯で溶かすのがよいとされてきたわけです。
しかし、最近の研究によって、赤ちゃんにとって有害な細菌が粉ミルクに入り込んでいる可能性があることが分かってきました。
代表的なものは、「エンテロバクター・サカザキ(Enterobacter sakazakii)」と呼ばれる細菌です。
エンテロバクター・サカザキは腸内細菌科の一種で、広く環境中に分布している細菌です。
成人にはほとんど悪影響を及ぼさないのですが、乳児がこの細菌に感染すると、細菌が中枢神経に入り込み、細菌性髄膜炎、壊死性腸炎などの重篤な症状を引き起こします。
感染した場合の致死率は20~80%程度と高めで、髄膜炎にかかった場合は、てんかん、発達遅延、難聴などの後遺症が残ることもあります。
これらの細菌がやっかいなのは、粉ミルクを開封する前からすでに細菌が入り込んでいる場合があるということです。
つまり、現状では完全に無菌の状態で粉ミルクが製造されてはおらず、殺菌処理を施さないまま赤ちゃんに授乳すると、細菌感染のリスクが高くなってしまうのです。
そこで、感染を防ぐためには殺菌処理をすることが大切ということになります。
「粉ミルクを作る際の温度」で触れた通り、70℃以上のお湯を用いて粉ミルクを溶かすようにしましょう。
エンテロバクター・サカザキなどの菌は、70℃以上の高温で死滅すると言われています。